ベーシックで、季節ごとの色合いを楽しめるソックスをつくりたい。
そんな思いで手染めのソックスをつくりました。
オーガニックコットンを昔ながらの紡績機(ガラ紡と呼ばれる機械)で紡ぎ、専用の機械で編まれたソックス。手紡ぎのような素朴さ、甘撚りでふぞろいな糸の調子が魅力的な一足です。
オーガニックコットン×ガラ紡糸×手染めの組み合わせ。シンプルで味があって長く使えるデザイン。背景やストーリーの見える商品。その時々の色合いに染めて、お気に入りを見つける楽しみもあって…。妄想がカタチになっていくのはとても楽しいです。
2020秋バージョンは栗染め。冬バージョンには茜染めをご用意しました。素材そのものの風合いを堪能できる生成りもおすすめです。
肉厚なソックスは真夏以外は快適につかえます。すこし乾きづらいので、冬場や梅雨時期はあたたかい室内に干す必要があります。あとは、お洗濯や日頃のケアなどちょっとした点に気を付けていただければ、長く愛用できます。おでかけはもちろん、ルームソックスとしてもおすすめです。穴があいてもちくちくとダーニングで繕うのも似合いそうです。
オーガニックコットンとは、農薬や肥料の使用量・労働環境などの基準をクリアしたコットンのこと。手摘みで漂白もされていないので、色は生成りのまま、綿花のカラもついていたりと自然な状態に近いものです。
草木染といえど、なんども洗ったり染料の定着のため媒染剤(酢酸アルミ)を使用したりと、どうしても糸に負担をかけてしまいます。また、不揃いで肉厚な生地を染めるため、色ムラも避けられませんでした。
技術面の向上や方法の模索はもちろんですが、一方で「手仕事にどこまで完璧さを求めるのか?」という自分の中の疑問もあります。もしももっと均一に色をのせたいのなら、均染剤をつかえばいい。無漂白コットンのもつ自然のオイルを脱脂すればいい。でもそれでいいの?と。 いかに糸の負担を減らしながらきれいに染めるかが今後の課題です。
このあたりのことについては、コットンの栽培について、化学染料と草木染についてなど、多くのことを語る必要があります。すこし頭を整理して、また続きを書きたいと思っています。(つづく)
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