藍染めの色落ちと色移りの実験

販売中の藍染めソックスをつかって実験をしました。

藍染めは色落ち・色移りがある、というのはよく聞く話なのですが、本当でしょうか。

じつはこれは、染め方や染める材料によって程度にかなり差があります。同じ藍染めでも一括りにできないのです。

今回はあくまでわたしの扱っている藍染め商品の色落ち・色移りについて。参考にしていただければと思います。

madokayukiの藍染め

わたしの制作では、藍染めのみ紺屋さんにお願いして染めてもらっています。

お願いしているのは、藍の染液を発酵させて染色する「本藍染め」という技法による染色です。
草木染めや柿渋染めとはちがって発酵の管理がありますので、プロにお願いしているというわけです。

※ 同じ藍染でも薬品をつかい発酵させずに染める方法もあります。

藍の色出し

藍染めの商品は、使用や保管にいくつか注意点があるので、商品説明に詳しく記載しています。

そのなかに、「色出し」という項目があります。

これは、藍染めの製品をはじめて使う前に、布についた余分な染料をおとすためのものです。

染めの仕上げにお酢をつかって色止めしてあります。購入してくださった方には、使用前の準備として色出しをお願いしています。

色出しの方法は、水かぬるま湯をボウルなどに溜め、商品を洗って陰干しする。これだけです。

今回の実験では、色出しによる色落ち、色出し後の製品から色移りする可能性 、染料がまじった水から色うつりする可能性、 について考えてみます。

藍染め製品は色落ちする?

色出しのために、藍染めソックスを水につけます。

しばらくすすぐと、ためた水が薄い水色になりました。

5分ほどすすぎましたが、水がこれ以上濃くなることはありませんでした。

色出しのさいは水が青くなりますが、これは繊維についた余分な染料が落ちるためです。その後のお洗濯で、これ以上色落ちがはげしくなることはありません。水が黄色くにごる場合はありますが、これは植物のアクで、天然の藍染め特有のものです。

(後日ソックスを湯洗いしましたが、水は青くならず、灰汁ですこし黄色くなるだけでした。)

インディゴ染めや薬品をつかう藍染では、色落ちが止まらないというトラブルもあると聞きますが、取り扱いの商品ではその心配はなさそうです。

色出し前は、ソックスに触った手や爪がうっすらと青くなりました。
衣類や床に色がうつる可能性もあるので、やはり色出しは必ずした方がよいです。

結果:洗うことによる急激な色落ちはない。

(ただし、徐々に色の変化はありますし、日光による退色もあります。まったく色が変わらないというわけではありません。)

服や靴への色移りが心配…

次に、色出しをしたソックスから他の衣類への色移りがあるかどうかを調べます。

実験では、もっとも色移りが起こりやすい環境をつくります。

色出しをした直後のソックスを、濡れた状態で、布に強くこすりつける

色出しはしましたが、若干は余分な染料がのこっているはず。そして、濡れた状態の方が色がうつりやすい。この状態で、白い布に20回ほど強くこする。どうなるでしょうか。

写真のように、白い布に青い色がうつっています。布を乾燥させると目立たなくなるものの、藍が布に付いたことは間違いありません。

これは、「白い布が青く染まっている」のではなく、「白い布に藍の成分が付着している」状態です。染まっているわけではないので、すぐに洗えばほぼ落とすことができます。

写真左:こすった布を乾かしたもの 写真中央:それを洗ったもの

実験はおおげさな状況をつくっておこなっています。じっさいのところはここまで色移りすることはないと思いますが、注意してもらうために商品説明にも「強い摩擦、濡れた状態はNG」と書かせていただいています。

(乾いた状態のソックスを同じように強くこすっても、色移りはほとんどありませんでした。)

結果:濡れたまま強くこすると色がうつる。すぐに洗えばほぼ落ちる。

(くつの内側や白物衣料に色が付くことは考えられますので、使い始めは注意が必要です。)

水から色が移ることはある?

藍染め製品を洗った水から色移りすることはあるのでしょうか。

もしあるとしたら、いっしょに洗濯できないので不便ですよね。試してみましょう。

実験では、「色出し」で青くなった水に、1分間布をつけ、そのまま乾かしました。

写真右:青い水につけて乾かした布

結果は、布は白いまま。洗濯機では大量の水をつかうので、色移りのリスクはもっと低いと思います。ただ、脱水などで濡れたまま摩擦が起こることによって色がうつる可能性はあるので、ネットを使用するとより安全です。

結果:水を介して色移りすることはない。(洗濯はネット使用)

まとめと藍の魅力

以上、取り扱いの藍染め製品の色落ち・色移りについてでした。

使用に難があるほどの問題はないと思うのですが、化学染料のものとくらべ、気遣いがいることに変わりはありません。

それでも、ほかでは得られない深い色合いは藍染めならではのものですし、製品になる過程がとてもナチュラルだというところも本藍染めの魅力だと思います。

注意点を知ったうえで、楽しく付き合っていただけたらと思います。

参考になりましたら幸いです。

本藍染め×オーガニックコットンのソックス
https://madokayuki.com/socks-2021/

季節のソックスいろいろ。2021春夏

定番品のオーガニックコットンソックス。そのときどきの植物をチョイスして染めています。

2020年は、栗染めの明るいブラウンと、茜染めのあか色を販売しました。https://madokayuki.com/socks/

今回は、ザクロ染めのからし色と藍染め2色をご用意しました。ソックスの長さは、これからの季節に使いやすいショート丈もあります。

ざくろ染めの色は、白いワンピースやデニムに合いそう。藍染は、コンバースやブーツに合わせてみたい。藍染の濃色のほうは、革のサンダルなんてどうだろう。うん、どれもいい色。

染めものには、料理につかうのと同じような材料をつかっています。大豆やミョウバン、灰、鉄など。

藍染めは、紺屋さんにお願いして染めてもらっています。こちらも化学薬品は不使用で、天然原料のみで染めてくださっています。

藍染めは色落ちが気になるところですが、こちらは本藍染めの商品ですので、インディゴ染めなどと比べて色落ちは少ないです。最初にぬるま湯につけて「色だし」をすれば、そこまで気にならず使えます。しかも、藍染めは使うほどに色が冴えてくると言われます。長く付き合うのが楽しいひとしなです。

どのソックスも、オーガニックコットンの落ちわたをつかった糸をつかって編まれています。ナチュラルソックス、ぜひお試しくださいませ。

online shop http://madokayuki.theshop.jp

わけありガラ紡ソックス

茜染めの商品がとても好評です。ありがとうございます。
品切れのものが多いですが、茜染めと栗染めのソックスのセットは販売中なのでお知らせします。

オーガニックコットンのソックスをひとつひとつ手染めしてつくった商品です。
肉厚ソックスなのであたたかく、ルームソックスとしても、おでかけの際の差し色としてもかわいいです。わたしも愛用中!

今回は染めむらのできてしまったソックスをお得なお値段で販売しております。
リブの内側など、染まりづらい部分に白のこりがありますが、それ以外はふつうのソックスと変わりません。

なるべく薬品にたよらずに染めているので、どうしてもできてしまうムラ…
完全にふせぐことはできませんが、製品チェックをして上出来だったものを一般販売用にしています。そして、チェックの際に比較的ムラの多かったものを今回販売しています。

写真のとおり、ぱっと見はとてもきれいに染まっていて、履いた時のリブの伸びたところに白のこりがあります。廃棄にはしたくないので、なるべくていねいに説明をして、お客様につかっていただければと思っています。てしごとの品々とおおらかに付き合っていただけるとうれしいです。

商品はこちらのページよりご覧ください。https://madokayuki.theshop.jp/items/38111729

定番商品として…季節のソックス

ベーシックで、季節ごとの色合いを楽しめるソックスをつくりたい。
そんな思いで手染めのソックスをつくりました。

オーガニックコットンを昔ながらの紡績機(ガラ紡と呼ばれる機械)で紡ぎ、専用の機械で編まれたソックス。手紡ぎのような素朴さ、甘撚りでふぞろいな糸の調子が魅力的な一足です。

オーガニックコットン×ガラ紡糸×手染めの組み合わせ。シンプルで味があって長く使えるデザイン。背景やストーリーの見える商品。その時々の色合いに染めて、お気に入りを見つける楽しみもあって…。妄想がカタチになっていくのはとても楽しいです。

2020秋バージョンは栗染め。冬バージョンには茜染めをご用意しました。素材そのものの風合いを堪能できる生成りもおすすめです。

肉厚なソックスは真夏以外は快適につかえます。すこし乾きづらいので、冬場や梅雨時期はあたたかい室内に干す必要があります。あとは、お洗濯や日頃のケアなどちょっとした点に気を付けていただければ、長く愛用できます。おでかけはもちろん、ルームソックスとしてもおすすめです。穴があいてもちくちくとダーニングで繕うのも似合いそうです。

オーガニックコットンとは、農薬や肥料の使用量・労働環境などの基準をクリアしたコットンのこと。手摘みで漂白もされていないので、色は生成りのまま、綿花のカラもついていたりと自然な状態に近いものです。

草木染といえど、なんども洗ったり染料の定着のため媒染剤(酢酸アルミ)を使用したりと、どうしても糸に負担をかけてしまいます。また、不揃いで肉厚な生地を染めるため、色ムラも避けられませんでした。

技術面の向上や方法の模索はもちろんですが、一方で「手仕事にどこまで完璧さを求めるのか?」という自分の中の疑問もあります。もしももっと均一に色をのせたいのなら、均染剤をつかえばいい。無漂白コットンのもつ自然のオイルを脱脂すればいい。でもそれでいいの?と。 いかに糸の負担を減らしながらきれいに染めるかが今後の課題です。

このあたりのことについては、コットンの栽培について、化学染料と草木染についてなど、多くのことを語る必要があります。すこし頭を整理して、また続きを書きたいと思っています。(つづく)

セット販売もご用意しています。https://madokayuki.theshop.jp/categories/3283883